見えないからこそ

こんにちは!

なないろ学習塾倉敷教室です。


今回は

見えない苦しみをどう見つけるか

について書いていこうと思います。


講師という立場で、特性をもっている子どもたちと関わり、

どういうところにつまづきがあるか目のあたりにするなかで、

学校の教材や市販の問題集をみてみると、とても不親切だな、と思うことが増えました。


まず、文字が小さいうえ、フォントは明朝体が多い。

これは、読み書き困難症(ディスレクシア)の子どもにとっては、拷問です。

学年があがるにつれて、ノートのマス目が小さくなるのも、同じ。

書くことが苦手、もしくは脳の機能的に困難な子どもにとって、

枠の中に入るように書く、というのはそれだけでとてつもないエネルギーを使います。

「正しく書くこと」に膨大なエネルギーが必要なので、

文字を覚えるエネルギーはおのずと少なくなりまってしまいます。

書くことが苦痛だ、という記憶ばかりで、

肝心の文字の記憶ができないことだって十分ありえます。


次に、プリントやテストの余白の少なさ。

とくに、算数・数学は、頭の中で計算することが前提なのでは?と感じてしまいます。

明らかに複雑な計算問題なのに、

丁寧に途中式を書いていたらどう考えても足りないスペースしか用意されていないことも。

文字を小さく書くことが苦手だと、(1)の計算が(2)のスペースまではみ出てしまい、

(2)の計算スペースが狭くなって読みづらい文字で書かざるをえない、

その結果、何を書いているかわからなくなって間違えてしまう。

そんな悪循環におちいってしまいます。


別で計算用紙を用意していれば、防げたかもしれない計算ミスがきっと多いだろうな、

テストでもっといい点数がとれたかもしれないのに…とやりきれない気持ちになります。


そして、見逃されがちなのは、罫線の多さ。

漢字だと、マス目を4分割する点線、

算数筆算だと、位取りしやすいようにあるマス目や、

なぜか最初から引かれている計算と回答を区切る線。

罫線が多い、ということはそれだけ視覚情報が多くなる、ということです。

楽々書けるなら、それは、重要でない情報は気にならないよう、

脳が勝手に処理してくれているから。

でも、その脳の機能がうまく働かない人にとっては、

全ての線が同じ圧で脳に入ってくるので、情報量がとても多くなり、

脳がとても疲れてしまいます。

そこに、書きの困難が加わると、1問こなすだけで50問分くらいの疲労感に。


筆算のマス目は、ケアレスミスをなくすための親切でつけてくれているのでしょうが、

むしろありがた迷惑ですらある。

計算と回答を隔てる線は、このスペースで計算してください、と予め指定されているので、

そこにおさまるように書く、という別の課題が加わってさらにやりづらくなる。


このように、特性があると、教材の標準装備が障害物になることが多々あります。

「学習のつまづき」という形で出てくる、特性ゆえの困り事。

そこにいかに敏感でいられるか。

講師として大切な仕事のひとつだと考えています。


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一人ひとりのお子さんの特性に合った学び方を一緒に探す学習塾。 主役は子ども、講師は伴走者。 「ふつう」にできなくても「じぶんなりに」できるようになれば大丈夫! 自己理解を深めて、できる!わかる!を増やしていこう!