苦手の特徴 ③

こんにちは!

なないろ学習塾倉敷教室です。


前回、前々回に引き続き、

抽象化の難しさについて、

中学生の具体例を書いていこうと思います。


特性のあるなしに関係なく、

中学生から学習面でつまずきが多くなることはよくあります。

実際、塾生も、

「算数はできたけど数学になって全くできなくなった。数学の難しさは算数の比じゃない」

とよく話してくれます。


やはり、学習内容の抽象度がどんどん高まっていくことが、

「数学のできなさ」が生まれる最大の要因でしょう。

なかでも教えていてとくに感じるのは、

代数が全然ピンときていない、ということです。


代数とは

「数の代わりに文字や記号を用いて、数学的な法則や方程式の解法を研究する数学の一分野、またはその分野で扱う対象や手法全般」(Wikipediaより引用)

のことだそうです。


数学では、たくさんの公式が出てきます。

算数では

「半径×半径÷3.14」

のように具体的な名前と簡単な数字で表されることが多い公式も、

数学になると

「πr²」(←このときのπやrを代数といいます)

のように、抽象化された表記になります。


円の面積など、算数で触れたことのある公式なら、

代数になってもまだとっつきやすいかもしれませんが、

これが、因数分解⇄展開の式など新出事項になると、一気に理解が難しくなるようです。


たとえば

(x+y)(x-y)=x²-y²

という展開公式。

これが文字もそのままの状態で出題されたら難なく解ける、または

問題でよく出てくる(x+1)(x-1)のような形であれば解ける子もいます。


しかし、

(a+5)(a-5)

(3+x)(3-x)

など、公式の形から少しでも崩れた途端、

一気に解けなくなってしまうのです。


これらの問題は、抽象化がうまくでき、

「公式のx,yには任意の数を代入できる」と理解できている子には、

いわば「ただ当てはめれば答えが出てくる」楽勝問題です。


一方、公式を「抽象化されたもの」として理解しにくい子は、

公式も「具体物」として認識していて、覚えた形や慣れた形でないものは、

「別物」と認識して、「これは習っていない問題だ」と思うようです。


身近な例で言い換えるなら、

料理をするとき、レシピと全く同じ食材を用意できないとレシピ通り作れない、

レシピに書いている量(2人前なら2人前)でしか作れない、

というのと似ているかもしれません。

料理に慣れている人なら、代用したり、「これは最悪なくても大丈夫」と判断できたり、目分量でいけたりすることも、料理ができない人にとっては、何をどうすればいいのか見当もつかない、という感じ。


それが公式の理解でも起こっているわけです。

こう考えてみると、抽象化が難しい、というのはなかなかつらいですよね…

ちなみにこの特性は、医学の分野において「中枢性統合が弱い」と表現するそうです。


日常生活に目を向けると、私たちが普段使っている言葉なんて、抽象化の最たるもの。

抽象化の難しさ、という点をふまえると、

発達特性のある人がコミュニケーションに苦手意識をもっていることも納得できます。

「抽象化(=概念化)が難しい」という特徴は、教える側として、

なかなか手強い部分もあります。

でも、方法がないわけではない。


一人ひとりの個人差に気を配りながら、特性という枠に固執せず、

どういう伝え方をすればうまく学習が進んでいくか、考え試し考え試しの毎日です。


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一人ひとりのお子さんの特性に合った学び方を一緒に探す学習塾。 主役は子ども、講師は伴走者。 「ふつう」にできなくても「じぶんなりに」できるようになれば大丈夫! 自己理解を深めて、できる!わかる!を増やしていこう!